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> 活動レポート(ケニア編) > エピソード3 エイズ孤児たちを病院へ
■子どもたちに向けられる偏見
今回の放送で紹介された施設の少年、ハリソン君。彼は、実の父親をエイズで亡くしています。では母親も…と思うでしょうが、彼にはもっと複雑な事情がありました。
父親の死後しばらくして、母親が別の男性と再婚をすることになったのです。それ自体はとても幸福なことですが、彼はどうしても新しい父親を「お父さん」と呼ぶことが出来ませんでした。反抗期のちょっとしたエピソードのようにも感じられるお話ですが、耐えきれなくなった彼は家を飛び出して、自ら「ストリートチルドレン」になってしまったのです。
それからの二人の間にどのような交流があったのかは不明ですが、最後に起こった事実だけをお伝えします。ストリートチルドレンとなったハリソン君は「新しい父親」が依頼した知人の手によって、殺されかけました。ガソリンを浴びせられたうえで、火を放たれたのです。
その後「新しい父親」は逮捕されました。「エイズの人間の子だから、あんな子は殺してしまえ」。そんな差別的な感情があったと、後に語っています。
今は施設で元気に暮らすハリソン君。彼をはじめとした28人の子どもたちは、こうした偏見の中にある悪意に晒されてきました。これからの子供たちの未来が、少しでも明るいものであるように。そんな願いを乗せて、ユーポス未来号は今日も走り続けています。
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写真:©坂本 勉
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